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水原希子 [芸能]

女優やモデルとして活躍する水原希子さんは、SNSでも多くのフォロワーを抱える。SNS上では時に社会的な発言をし、賛否両論、様々なコメントであふれることも。それでも発信をやめない、彼女の強さの源とは なんなんでしょう

 希子さんの強さは、決して発信をやめない意志の力と、大きな波すら乗りこえてさらに前進してしまうところにある。が、彼女も最初からアグレッシブなパワーの持ち主だったわけじゃない。何度も襲いかかる「自分を発信する怖さ」に打ち勝って、ここまできたのだ。

「私はハーフなので、人とは違うと小さい頃から思っていました。だからいじめられないように、なるべく目立たないように、同級生と一緒の趣味を持ったり、しゃべり方を同じようにしたりして安心していた。東京に出て、モデルになったとき、他のモデルの子がみんな個性的で、みんな違うバックグラウンドを持っていたんです。みんな違って、みんな素晴らしかった。そこから、自分の個性ってなんだろうと探し始めたんです。自分の心のひかれるままに、音楽をたくさん聴いて、映画をたくさん見て、いろんな場所に行っていろんな遊びをしました。当時のギャルブームに乗って茶髪にして、日焼けしていたけれど、やっぱり違うなと思ったんです。髪を黒くして、赤いリップにたどりついて、やっと自分らしさに自信が持てるようになりました」

恋愛でも、自分が分からなくなり、自信を失ったことがある。

「若い頃、好きな人に嫌われるのが怖くていい子を演じていたら、相手にのみ込まれて本当の自分が分からなくなった。それがすごく怖かったんです。相手が連絡をくれなくても我慢したり、料理なんかしちゃったりして、物分かりがいい女の子を演じていたけれど、『何で私、この人に嫌われないために言いたいことも言わないんだろう』『なんでこの人、私のことこんなふうに扱うんだろう』と悩んでいて。でも、『自分がこういうふうに扱わせているんだ』と気づいた。めんどくさいと思っても、一緒にディスカッションできないなら別れたほうがいい。

 恋愛って、長く一緒にいたい人や、生涯一緒にいたい人を見つけるために始まると思っているんです。だから本当の自分を見せないと続かないと思う。でも今って、『モテ』に支配されていますよね。ドラマや雑誌は、いかに男性を喜ばせて、いかにいい嫁、いい女になるかを押し付けてくる。でも、その定義がよく分からない。それが好きだったらやればいいし、好きじゃなかったらやらなければいい。時代はもう昭和じゃないから(笑)」

とはいえ、希子さん自身も自分の中の偏見に最近気がついた。

「男は強くて、守ってくれる人がいい、オシャレするような男は嫌だ、と思っていたんです。白いTシャツとデニムを穿いている人がタイプです、と言っていたこともありますが、それもどうでもいいなと思えてきました。男性にも、男性らしくしなくちゃいけないと思っている人は多いですよね。男たるもの酒くらい飲めないといけないとか、草食だったら男じゃないとか。それもプレッシャーだと思う。

 男性が男性らしく、女性が女性らしくということよりも、自分がどういう人でありたいか、どういうものを楽しみたいかということのほうが大事。男とか女とかいうことよりも、『自分らしさ』のほうがおもしろい。いかに個々を尊重し、認め、受け入れるか。個々の魅力をもっと見ていったほうがいいと最近思うようになりました。だから、男も女も総見直ししないと」

 きちんと自分の言葉で発信する強さ、しなやかな自由さが評価されて、今年、ディオール・ビューティのアジア初のアンバサダーに抜擢された。昨年は「OK」ブランドも立ち上げている。ポップな低価格帯の量販向け商品を発売するブランドとしてだけでなく、モデルや俳優ではない自分自身のメッセージを仲間と発信する場と考えている。高価なハイブランドだけがファッションじゃない、自由に楽しもうとKikoスピリットも伝えたかったという。

「発信していくことによって、同じ考えの仲間が増えてきました。こうやってグローバルな活動ができるのも、ブランドを立ち上げられたのも、私の考えに賛同してくれた仲間が集まって来てくれて、みんなの協力があったからこそ。発信することは、波風も起きるし、すごく怖くて嫌な思いもするけれど、それ以上にいい意見がもらえる。でも、女性が言うと『女がまた騒いでるぜ』みたいに思われるから、男の人も声を上げてくれたらいいですよね。個人攻撃じゃなくて、不自由な圧力がかかる世の中の仕組み自体を変えなければ、前に進めない。私たちが地道に、毅然とした態度で訴えていくしかないかなと思っています」

(ジャーナリスト・速水由紀子、編集部・大川恵実、写真部・東川哲也)

※AERA 2018年5月14日号より抜粋
タグ:水原希子

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